みなさんはどれだけ時間を意識しながらゴルフをプレーできていますか?
ゴルフの大原則は「プレーファスト」です。どのようなレベルのゴルファーであっても、スロープレーというマナー違反をすることは厳禁です。プレーファストを意識しながらプレーすることが求められます。
プレーファストを心がけるうえで一つの基準となるのがハーフでの時間です。一般的なプレーではまず9Hを回り、昼食後にまた9H回ります。そのため、ハーフをどれくらいで回るのかを考えながらプレーすることが肝心です。
この記事ではハーフをどれくらいで回るべきかという基準と、ハーフプレーを目標時間内に終わらせるために気をつけるべきポイント、マナーについてご説明します。
目次
4. ハーフを時間内で終わらせるために気をつけるべき7つのポイント
4.1. スタート前にできる2つのこと
4.2. プレー中に意識すべき5つのポイント
5. 速やかにプレーするときでも気をつけるべき最低限のマナー
5.1. 芝への心配りを忘れない
5.2. 他のプレーヤーの妨げになることをしない
5.3. バンカーショット後は正しくならす
1. ゴルフは「紳士淑女」のスポーツ
ゴルフは「紳士淑女のスポーツ」と呼ばれることがあるほど、ゴルフではルールを遵守し、さらにマナーを大切にすることが重視されます。
一度はプレーしたことのある方ならお分かりかと思いますが、ゴルフには審判はいません。ルール違反やスコアなども、すべて自己申告です。あえて言うのであれば、審判は「自分自身」ということになります。
そうであるからこそ、ゴルファーのひとりひとりがルール・マナーをきちんとわきまえ、節度ある行動をとることが重要です。
2. 「スロープレー」は最も嫌われるマナー違反
数あるゴルフのルール・マナーの中でも特に重要なのが「プレーファスト」、「スロープレーをしない」ということです。スロープレーは最も嫌われるマナー違反といっても過言ではないでしょう。
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ラウンドする際には、ゴルフ場を貸し切れるわけではありません。前後には他のプレーヤーがおり、およそ6~8分おきに各組がスタートしていきます。そのような中で1組でも遅い組がいると、遅れがどんどん波及し、場合によっては最終組がプレーを断念しなければならなくなる可能性もあります。また、プレーのリズムを乱すことにもなるでしょう。
ここで、朝の通勤時間帯の電車を想像してみましょう。すべての電車が決められた速度、ダイヤで走っていれば問題ありませんが、そのうちの1本が遅れてしまえばその遅れはどんどん波及して、全体に遅れが生じてしまいますよね。ゴルフもそれと同じです。
ゴルフ規則でも、以下のように規定されています。
ゴルフのラウンドは速やかなペースでプレーすることになっている。
各プレーヤーは自分のプレーのペースが他のプレーヤー(自身の組のプレーヤーと後続組のプレーヤーの両方を含む)のラウンドのプレー時間に影響を及ぼす可能性が高いことを認識するべきである。
ゴルフ規則―5.6b 速やかなプレーのペース
プレーファストを遵守し、他のプレーヤーに迷惑をかけないよう注意しましょう。以下ではプレー時間の目安と、素早くプレーするためのポイントについて説明していきます。
3. ハーフで守るべきプレー時間とは
第3章では、ハーフ時点で目安とするべきプレー時間についてご説明します。先述のとおり、自分が適切な時間で回れているかを確認する際には、ハーフ時点での時間を参考にするのが最適です。
ハーフでの時間とは、前半9Hをラウンドした時点での時間のことです。ゴルフでは前半9Hを回った後に昼食を取り、その後後半9Hを回るのが一般的です。
ハーフではそれぞれ以下の時間を目安とするのがよいでしょう。
- ツーサムのとき:1時間55分
- スリーサムのとき:2時間5分
- フォーサムのとき:2時間15分
多くのゴルフ場では、上記のように2時間前後を目安として設定しているのが一般的です。このくらいを目安とし、さらに余裕がある方はそれぞれの時間から30分をマイナスした時間を目指すことをおすすめします。
4. ハーフを時間内で終わらせるために気をつけるべき7つのポイント
第4章では、ハーフを時間内に終わらせるための7つのポイントをご紹介します。これらのポイントをおさえ、スロープレーにならないようにプレーしていきましょう。
4.1. スタート前にできる2つのこと
まずは実際にプレーを開始する前、スタート前にできることを確認していきましょう。
4.1.1. 基本的なルールを知っておく
まだまだゴルフの経験が浅い方は、基本的なゴルフのルールをしっかりと頭に入れておくようにしましょう。
ゴルフには審判がいません。プレーヤー自身が審判として、誠実に規則を守りながらプレーすることが求められます。しかし、そのためにはゴルファー一人ひとりがきちんとルール・マナーを理解していなければなりません。
もちろん、プレー中に携帯しているであろうルールブックを確認するのもよいでしょう。しかし、何らかの処置のたびに規則を確認していてはスロープレーの原因となってしまいます。基本的なルールは頭に入れておき、スムーズに処置をできるようにしておきましょう。
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4.1.2. 初心者がいる場合には、ハザードが少ない広々コースを選ぶ
組内に初心者の方がいる場合には、ハザードが少なく、フェアウェイが広々としたコースを選ぶことをおすすめします。
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ゴルフをはじめて間もないうちはボールが想定外の方向に飛んでしまい、初心者の方は特に打数を重ねがちです。そのうえハザードが多いコースだとさらに打数は増えますし、フェアウェイが狭いコースだと林に打ち込んでしまい、ボールを捜索するのに時間がかかってしまいます。
それに伴うタイムロスを防ぐために、初心者の方がいる場合にはハザードが少なくフェアウェイが広いような、やさしいコースを選択するのがよいでしょう。
4.2. プレー中に意識すべき5つのポイント
続いて、プレーファストのためにプレー中に意識すべきポイントを5つご紹介します。
4.2.1. エチケットリーダーがプレーを先導する
ゴルフには「エチケットリーダー」という役割があります。エチケットリーダーとは、プレーを迅速、そして安全に進められるように気を配る役割のことを指します。コンペなどの際に、各組内の最年長者やハンディ頭が指名されることが一般的です。
コンペなどではなくプライベートなラウンドのときにも、このエチケットリーダーを決めておくのがよいでしょう。先述のようにゴルフ経験の豊富な年長者やハンディ頭、周囲の状況にしっかりと気を配れるプレーヤーが最適です。
もちろんプレーヤー一人ひとりが気を配ることが大切ですが、その中でも特にエチケットリーダーが率先して前後の組との間隔はどうか、プレーの遅いプレーヤーはいないかなどに目を配ることが求められます。もちろん、プレーの速度だけではなく、ルールやマナーにも注意しなければなりません。
4.2.2. ゆっくり歩かず、早歩きを心がける
ダラダラと歩くことなく、常に早歩きを心がけましょう。
ゴルフ初心者はとにかく走れと言われることもあります。しかし、スロープレーにならないようそれ以外の場面でしっかりと意識できれば、必ずしも走る必要はありません。
大切なことは常に早歩きをすることです。初心者だろうと上級者だろうとレベルは関係ありません。決してダラダラと歩かず、背筋を伸ばしてスタスタと歩くのがポイントです。一定の速度でスタスタと歩くのは時間短縮になるだけではなく、プレーのリズムの維持にも繋がります。
あまりにもプレーが遅い場合は別ですが、無駄に走ると余計な体力を使うことになりますし、さらにプレーのリズムを乱すことにもなります。極力走ることなく、早歩きでラウンドするようにしましょう。
4.2.3. 打順がきてからの素振りは控えめにする
打順がきてからの素振りは原則1回、多くても2回までにしましょう。
素振りを何度もしていると、逆にプレーのリズムを乱すことになりますし、たくさん素振りをしたからといってよいショットを打てるというわけでもありませんよね。身体を温めたり、ルーティーンの一環として1,2回素振りをするだけで十分です。あるいは素振りをしなくてもよいでしょう。
また、グリーンの上ではラインの読み過ぎに注意しましょう。ライン読みは自分の番がくる前にしておくべきですし、まして自分の番がきてから長い時間をかけてラインを読むのは問題外です。
素振りやライン読みなどといった、実際のストローク直前の行為に注意するようにしましょう。
4.2.4. セカンドショット以降はクラブを何本か持って移動する
セカンドショット以降は、使う可能性のあるクラブを複数本持って移動するようにしましょう。
実際にボールがある位置まで行くと、当初選んでいた番手とは違う番手の方が適していたということもあります。そのようなときに、いちいちカートまで別の番手を取りに行くのも時間がかかりますよね。
特にまだゴルフ経験が浅い場合には、このようなことが頻繁にあります。そのため、選んだ番手とその前後の使う可能性がある番手をすべて持って移動するようにしましょう。また、前進する速度が遅い初心者の方は、グリーンに乗るまでに使うであろうクラブを持っておくことで、グリーンオンするまでカートに戻る必要がなく時間短縮に繋がります。
4.2.5. 「レディーゴルフ」を取り入れよう
これまで、ゴルフではカップから最も遠くにボールがある人から打ち進めていくという「遠球先打」が原則でした。
しかし、2019年から施行された新ルールでは、「レディーゴルフ」が奨励されるようになりました。レディーゴルフとは特に順番を設けず、準備ができた人からショットをしていくというルールです。
遠球先打の原則はまだ存続していますので、もしまだ全員の準備が整っておらず、なおかつレディーゴルフに対して他のゴルファーから同意を得ている場合には、積極的にレディーゴルフを実施していくようにしましょう。
5. 速やかにプレーするときでも気をつけるべき最低限のマナー
スロープレーにならないように速やかにプレーしようとした結果、思わぬところでマナー違反をしてしまう可能性もあります。
第5章では速やかにプレーするときでも忘れてはならない、ゴルフで守るべき最低限のマナーをご紹介します。マナーをしっかり守り、すべてのゴルファーが気持ちよくプレーできるようにしていきましょう。
5.1. 芝への心配りを忘れない
芝のコンディションはグリーンキーパーの管理だけではなく、プレーヤーひとりひとりの扱いによっても大きく変わってきます。芝の状態を悪くした場合には、プレーヤー自身が修復しなければなりません。
5.1.1. ジェネラルエリアでの心配り
ジェネラルエリアでダフってしまい、芝をえぐってディボット跡を作ってしまった場合には、自らそれを修復しましょう。
ディボット:アイアンショットなどの場合に削り取られた芝(ターフ)のこと
ディボット跡:芝がなくなったことで空いてしまったコース上の穴のこと
「ディボット跡」の放置はゴルフマナー違反ですよ! |マイベストプロ大阪・和歌山
もしディボット跡にボールが入ってしまった場合には救済がありません。もしあなたがディボット跡を放置してしまったら、後続組が迷惑を被ることになりますので、作った本人が修復することが大切です。
ディボット跡を直すためには、ゴルフ場に用意されている「目土(めつち)」を穴の中に入れてから、足で踏み平らに均します。ディボットに根が付いていれば、それもディボット跡に戻した上で、周囲の芝生と同じ高さになるように均すのがポイントです。
5.1.2. グリーンでの心配り
グリーンの芝はそのほかのエリアに比べて、大変デリケートになっています。扱いには十分注意しなければなりません。
まず、グリーン上を走ったり、足を引きずるようにして歩ったりするのはやめましょう。先述のとおりグリーンの芝はデリケートですので、このようなことをするとグリーンを痛めたり傷つけたりする可能性があります。
What do you mean your not open today? |Stony Creek Golf Club
また、ボールのグリーン落下時にできたくぼみである「ボールマーク」は自分自身で直すようにしましょう。グリーン上のボールはちょっとした凹みや傷などで向きが変えられてしまいますから、損傷した本人が修復するのがベストです。
なお、グリーン上の損傷は「グリーンフォーク」を使って直します。直し方は以下を参考にしてください。また、2019年の新ルールからはスパイク跡や動物の足跡なども修復できるようになったので、気になる場合には同様に修復するとよいでしょう。
①グリーンフォークを穴の淵から斜めに刺し、中央に寄せる
ボールマークの穴の淵に、グリーンフォークの背を上に向けて刺します。そしてフォークを立てたまま中央に寄せていって下さい。これを書く方向から繰り返します。フォークを”てこ”のように使い、先端だけを持ち上げるのはやめて下さい。芝の根が切れてしまいます。
②パターの裏で軽く叩く
芝が寄ってきたら、パターの裏で軽く叩きます。靴底だと平らにならないので、必ずパターの裏を使いましょう。
5.2. 他のプレーヤーの妨げになることをしない
基本的なことですが、他人のプレーの邪魔はしないようにしましょう。
まず、音に注意してください。ショットをするときに周囲の人が話したりするなどして音を出していると、集中が遮られてしまいます。周囲の組のことも考え、常に大声で話したり笑ったりするのは控え、さらに同伴者がスタンスをはじめたときには特に音を出さないように心がけてください。
また、ショットをするプレーヤーの視界に入ることもNGです。視界に入らないとなると、初心者の方は打つ人の後方(ターゲットラインの後方)に立つ方もいますが、この位置は適切ではありません。距離をしっかりととった上で打つ人の背中側か真正面に立つ、あるいは斜め後ろに立つのがよいでしょう。
打つ人がスタンスをとりはじめたら、動き回ったりすることなく、とにかく相手の気が散らないようにすることが大切です。
5.3. バンカーショット後は正しくならす
バンカーショット後はしっかりと砂をならすようにしましょう。どんなに急いでいても、自分が作ったバンカー内の足跡とショット跡をならすのは最低限のマナーです。余裕があれば自分が作ったものではない跡も直すとよいでしょう。
バンカーをならすにはレーキを使います。レーキには様々な種類がありますが、よくあるのは片方が熊手(歯)のような形になっており、もう一方が平らになっているものです。これを使う場合には、まずは歯の面でピン方向にならし、そのあとに平らな面で仕上げのならしをしましょう。
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ならしが終わったら、足跡を残さないように後ずさりをしながらバンカー外に出るようにしましょう。その後、使い終わったレーキは、ボールの転がりに影響を与えない適切な位置に戻します。置き方は各ゴルフ場によって異なりますので、あらかじめ確認しておくようにしてください。
正しいならし方に関する詳細は「こんな時どうする?レーキの正しい使い方とよくある悩み5つ」で説明しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。
6. まとめ
この記事では、ハーフでかかる時間の目安を中心に、スロープレーにならないようにするためのポイントなどをご説明してきました。
繰り返しになりますが、ゴルフの原則のひとつは「プレーファスト」です。スロープレーにならないように、適切な時間で速やかにラウンドすることがすべてのゴルファーに求められます。
さらに、ゴルフをする上での最低限のマナーについてもご説明しました。速やかにプレーするといっても、そのほかのマナーをおざなりにしていいというわけではありません。素早く行動することは大切ですが、マナーとしてやらなければならないことはきっちりおこなってください。
常に時間を意識しながら、速やかに、気持ちよくプレーするようにしていきましょう。