ラウンド中に出ると本当に厄介な「チーピン」。
打ち出したボールが急に軌道が右に曲がる「チーピン」は、思いもよらぬ所に飛んだり、挙げ句の果てにはOBになったりとゴルファーの「悩みのタネ」でもあります。
あの元賞金女王の古閑美保プロでも、ティーショットでは、軌道が曲がりやすいことで悩んでいたそうです。
なかにはプレッシャーがかかればかかるほど、飛ばそうと思えば思うほど、出てしまう方もいるかもしれません。
だからといって、自己流にスイングを修正したり、手先で打とうとするとより「チーピン」がひどくなるという悪循環に陥ってしまいます。
実は「チーピン」は自分では気が付きにくい部分に原因があり、そこに気が付かない限りはなかなか治らないのです。
今回は、そんな「チーピン」の原因と直し方について丁寧にご紹介いたします。
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目次
1.そもそもチーピンってなに?
1.1. チーピンの語源とは
2.チーピンが出てしまう4つの原因
2.1. 極端な手打ちになってしまっている
2.2. スイング軌道とフェースの向きが正しくない
2.3. ストロンググリップになってしまっている
2.4. ボールの位置が不適当な位置になっている
3.チーピン防止に効果的な練習法
3.1. 片手打ち練習法
3.2. 内股ドリル
3.3. ドアストッパーを使ったドリル
1.そもそもチーピンってなに?
チーピンとは、フックボールの一種で、より左に急激に曲がってしまうボールのことをいいます。
急激に曲がる弾道のため、通常のフックに比べてOBになりやすく、厄介なボールです。 明確な定義ははっきりとは決まっていませんが、チーピンと言われる弾道は、大きく以下の3つに分けられます。
- ターゲットよりも左方に打ち出され、さらにそこから左に曲がっていく
- まっすぐ打ち出されたボールが急激に左に曲がっていく
- やや右に打ち出されたボールが左へ大きく曲がっていく
また、「ダックフック」や「ひっかけ」という言葉もチーピンと同じ意味で言われることがあります。
1.1. チーピンの語源とは
チーピンの語源は、麻雀の七筒(チーピン)という牌に由来しています。
誰が言い始めたかは分かりませんが、極端に曲がるゴルフ軌道が、七筒の上の3つの並びと似ていることからいつしかそう言われるようになりました。
2.チーピンが出てしまう4つの原因
では、どうしてチーピンが出てしまうのでしょうか。 その原因はおもに4つあると考えられます。
2.1. 極端な手打ちになってしまっている
まずは、極端に手打ちになってしまっているというパターンです。
手打ちでのショットはフェーズ(クラブの打球面)の向きに非常に悪影響を与えてしまいます。
特に右手に力が介入しすぎてしまうと、インパクトの時にクラブフェーズが大きく左を向いてしまい、チーピンになりやすくなります。
ところで手打ちのスイングとは一体どういうスイングのことを指すのでしょうか。ここで今一度、手打ちのスイングの定義を確認してみましょう。
- 腕の動きと体の動きが同調しない
- スイング中、ほとんどの動きを手首に頼っている。手を使いすぎている
- インパクト直前に、手を動かしてスイングを調整している
- 体のターンと関係のないところで腕が振られている
以上の4つのどれかに当てはまる場合は「手打ちのスイングをしている」といえるでしょう。
2.2. スイング軌道とフェースの向きが正しくない
チーピンがでてしまう直接的な原因は、フェースがインパクトで普段以上に閉じてしまっていることが原因です。
ですが、単にフェーズを開いて打つようにすればいいというわけいには行けません。
安易にそのようなことをすると、手打ちになってしまったり、極端にターゲットから右にスタンスしてしまったりと、よりチーピンをひどくしてしまう要因になってしまいます。
つまりチーピンはインパクトよりも前、スイングにも原因があるのです。
まずここでゴルフスイングに3種類あるのですが、軽くここで説明致します。
- インサイドイン・・・名前の通り、内側から入って内側にでていく軌道です。正しい軌道です。
- アウトサイドイン・・・体の外側から入って、ヒットした後、体の内側に逃げていく軌道です。
- インサイドアウト・・・体の内側から入って、ヒットした後に体の外側へ逃げていく軌道です。
これを踏まえて、チーピンについてみていきましょう
チーピンには以下の三種類のパターンがあると言いました。
1) ターゲットよりも左方に打ち出され、さらにそこから左に曲がっていく
2) まっすぐ打ち出されたボールが急激に左に曲がっていく
3) やや右に打ち出されたボールが左へ大きく曲がっていく
実は、大きく分けると2つあり、1はアウトサイドインにより引き起こされるチーピン、3はインサイドアウトにより引き起こされるチーピンであるといえます。それぞれ詳しくみていきましょう
■アウトサイドインにより引き起こされるチーピン
アウトサイドインの軌道は体の外側から入って、ヒットした後、体の内側に逃げていく軌道です。
この軌道はスライスになりやすい軌道ですが、スライスを出すのが怖い人は、ボールが右に曲がることがトラウマになって左に打ち出そうとします。
そうなってしまうと、フォロースルーで左ヒジが引けたり、ヒジがくの字に曲がってしまってフェーズが閉じてしまい、チーピンになってしまいます。
■インサイドアウトにより引き起こされるチーピン
これはゴルフ上級者によくみられるチーピンです。
インサイドアウトの軌道とは、体の内側から入って、ヒットした後に体の外側へ逃げていく軌道でそもそもフックになりやすいです。
フックが出やすくなると、自然と身体は打ちたい方向より右を向くようになってしまいます。つまり、フックする分を身体の向きで調整すればまっすぐになるのではないかという考えです。
たしかにこれでまっすぐ飛ぶ場合があります。しかしフックそのものが治ったわけではありません。フックボールを癖のようにして打つようになった頃に、身体の向きを真っ直ぐにすると、更に左にそれてしまい、チーピンを引き起こしてしまいます。
ですので、チーピンそのものを直すのではなく、フックボールを打つクセを治す必要があります。
2.3. ストロンググリップになってしまっている
ストロンググリップとは、左手をかぶせたグリップのことをいいます。右利きの場合、右手の親指の付け根が右肩よりもさらに右側を指すような握り方になります。
ではどうしてストロンググリップだと、チーピンが出てしまうのでしょうか。実は、ストロンググリップは、別名フックグリップとも呼ばれます。図のように、構えた段階から自然にフェースが閉じた状態(下画像の状態)になります。
ですので、インパクトの段階で反時計回りのスピンがかかってしまい、左向きにいボールが飛んで行くというわけです。
2.4. ボールの位置が不適当な位置になっている
ボールが各番手に適した位置に置かれていなければ、手打ちの原因となり、チーピンが出てしまう可能性があります。
したがって、正しいボールの位置を知っておく必要があります。
まずは短い番手から順に適切なボールを置く位置をお教えいたします。
ショートアイアン
ショートアイアン(9番アイアンとSW、AW、PW)の場合は、両足の真ん中辺りにボールを置きましょう。
両足の真ん中を見つけるには、つま先の頂点を利用して下さい。つま先の頂点に対して、ボールが真ん中にくるのを目安にしましょう。
ミドルアイアン
ミドルアイアン(6・7・8番アイアン)は真ん中よりもボール一個分くらい自分から見て左側に置きましょう
ロングアイアン
ロングアイアン(5・4・3番アイアン)は先程のミドルアイアンのボールの位置から少しずつ左に動かし、打ちやすい場所を見つけましょう。
クラブの長さが長くなるに連れ、徐々に左に動かしながら自分の打ちやすい位置を探していきましょう。
ドライバー
ドライバーは左脇の真下に置くのがいいでしょう。
クラブの中でも、一番長いドライバーは最もボールを左側に置くべきです。一般的には、左足のつま先を基準にすることも多いのですが、足の位置がずれてしまうことがあるため、あまり変化のない「脇」を目安に使うことをおすすめします
このように、ボールの位置は、クラブが長くなるに連れて、徐々に左脇の方に移動させることを心がけましょう。
■グリップと体の距離
ボールを置く位置を知ると同時に、グリップと体の距離を把握しておくことも大事です。
グリップと身体との距離は、個人差が大きく、「近すぎず遠すぎず」がベストだと言われています。
また自然とアドレスが取れている場合ですと、適切な距離感が自然と取れています。
しかし、しっかりアドレスが出来ていないと、この距離感が近くなったり、遠くなったりシて、手打ちの原因になってしまいチーピンの遠因にもなってしまいます。
ですのでここでグリップと、体の距離感をしっかり把握しましょう。
ドライバーはグリップと体との距離がこぶし2つ分、
アイアンはこぶし1つ半分開けてアドレスをとりましょう。
3.チーピン防止に効果的な練習法
これまでは、どうしてチーピンが起きてしまうのかについて様々な角度から見てきましたが、この章では、チーピンを効果的に治す方法をご紹介致します。
チーピンを直す方法としてはおもに
- 手打ちを直す
- スイング軌道を修正する
この二つが挙げられます。まずは手打ちを治す方法から見ていきましょう。
3.1. 片手打ち練習法
片手打ち練習法とは、その名の通り片手でスイングをする方法のことです。
これを行うことによって、①クラブヘッド②左手③左肩の3つのポイントをより同調させて動かすことが出来るようになり、手打ちを修正することが出来ます。以下のステップにしたがって、練習をしてみてください。
■STEP1
SWなどを使って、左手のみで4時から8時の振り幅を目安に素振りをする。手首をぐにゃぐにゃさせず、3つのポイントを同時に動かすことを意識しながらスイングする。
※グリップエンドは左足のつけ根を向くようにする。
■STEP2
素振りに慣れてきたら、ボールを両足の真ん中辺りにおいて打つ。まずは肩を支点に4時から8時のスイングをして、3-4yを目安に打ってみる。
その次に腰の高さから腰の高さのスイングに切り替えて、約20yを目安に打ってみる。
※初めはまともに当たらなくてもOK。根気よく続けて、スムーズに打てることを目標に。
■STEP3
左手でSTEP1,2を行い、3つのポイントを同調させスムーズにスイングできるようになったら、次は右手でSTEP1,2を行う。手首の形を保つことに注意する。
※右手で行うとダウンスイングが速くなり、ダフリや引っ掛けが起こりやすいので注意。
以上の3STEPを行って下さい。手首に負担がかかりますから、最初のうちは左右それぞれ5球ずつくらいから行いましょう。苦手な方、得意な方ばかりやるのではなく、大体左右の割合が左2:右1となるように練習を行って下さい。
右利きの方の場合、比較的力の弱い左手の強さに右手を合わせるのではなく、力の強い右手に合うように左手を強化することが重要です。そうすれば、手打ちではない力強いスイングが出来るようになります。
3.2. 内股ドリル
チーピンの原因は手打ちの他に、スイング軌道が正しくないことがあげられますが、実は間違ったスイング軌道をしてしまう原因は「正しく体重移動出来ていない」ことにあります。
つまり、「正しい体重移動」をマスターすれば、チーピンを根本的に治すことができるのです。
ここで紹介する内股ドリルを行うことによって、「正しい体重移動」を身につけましょう。
このドリルを行う時のスイングは、バックスイングを上げた時に、左腕が地面と平行になるか、それよりも少し上がるくらいのスイングの大きさで練習をしましょう。
振り抜いたあとも右腕が地面と平行か、ほんの少し上がる程度、右腕がしっかり伸びた時点で手を止めましょう。
肘が曲がってしまったりするのではなく、バックスイングでは左腕がしっかり伸びた状態で、フォローではまた右腕がしっかり伸びた状態をキープして、今から説明する動きを練習してください。
■右足の内股ドリル
この内股ドリルのポイントは、バックスイングで重心をどのようにコントロールするかにあります。
振り上げた時に、手が右側に上がっていくわけですから、当然これだけで体重は左足に加重が大きくかかります。
この時に、右足の土踏まずに重心がしっかりかかることが、大きなポイントになってきます。
また、右足の土踏まずで体重を受け止められず、外に体重が流れてしまっている方が非常に多いので気をつけましょう。
体重が外に逃げると、力を込めてターゲット方向に切り返して行く事が難しくなります。
例えば、スキーで外側に体重がかかったら、倒れるしかありません。そのような動きにならないように、バックスイングでしっかりと内側で受け止めましょう。
そして受け止める練習をする時に、通常のスタンスで行ってもなかなか正しく出来ない方が多いです。
ですから、今回は工夫した練習方法として、右足だけを内股にしてみてください。
右足を内股のままバックスイングを上げると、嫌でも内側に「グッ」と踏みしめられるようになります。
少し内股にして、トップでしっかり内側に重心がかかっていることを感じてください。その状態で繰り返しスイングをしてみましょう。
■左足の内股ドリル
左足の内股ドリルは、振りぬいた後に、体重をしっかり受け止めるための練習になります。
釣竿を思い出してほしいのですが、餌を投げた後に、竿を止める動きをすることで、竿がしなり、より遠くへ飛ばすことが出来ます。左足の内股ドリルで学ぶことはまさにそれです。
より遠くへ飛ばすためには、しっかりと体重を受け止める動きが必要です。要するに、腰が止まるような動きを入れることが、クラブを最大限にしならせる動きに繋がります。
まず通常のアドレスをしたら左足を内側にいれてください。そしてそのまま、ボールを打ちます。
打った後、内側にブロックされてしまう感じがあれば、OKです。打った後しっかりと止まることで、ヘッドが走って最大のクラブのしなりが生まれて、距離が出ます。
まとめると、バックスイングで振り上げた時、体重が外に逃げないように、振りぬく時にも体重がターゲット方向へ逃げないように、気を付けましょう。
3.3. ドアストッパーを使ったドリル
また、内股ドリルのほかにも、ドアストッパーを使って正しく体重移動を身につける事ができます。
重心の位置が正しい位置にこないと、それだけで体重が外に逃げてしまいますから、パワーをロスしてしまいます。
ここでしっかりと身に付けていきましょう。
まず、いつものドライバーを打つ時のアドレス(=構え)をとってください。その際に、右足の外側にドアストッパーをセットして踏みます。
ドアストッパーを踏んでいることで、バックスイングを振り上げてトップの形になった時に、足の外側に体重がかかりすぎず、内側で体重が受け止められるようになります。
慣れてきたら、今度は左足の方にも同じようにドアストッパーを挟んで、スイングしていきましょう。
左足は、スイングをふりぬいた後に踏ん張りを利かせる足です。このドリルで、いわゆる「左足の壁」を作っていきましょう。
打つ前も、打った後も、重心の位置は常に内側を意識しましょう。そうすることで、力強いボールが打てるようになります。
4.まとめ
いかがでしたか。
チーピンを治すのに必要なことはご自身の癖を見つめ直し、ひとつひとつ地道に修正していくことにあります。
しかし、チーピンは初心者よりはゴルフに少し慣れてきた中級者以上に多いため、こうした癖を自覚し修正することはなかなか大変だと思います。
そういった方こそ、自分の癖を直すいい機会だと思って、初心に返りトレーニングに励みましょう。
そうすれば、チーピンが治るだけでなく、今までよりスイングが良くなって飛距離アップなど思わぬ所に効果があらわれるでしょう。
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プロゴルファー古閑美保プロフィール(2008年、賞金女王)
11歳からゴルフを始め、中学生の時に日本ジュニア選手権で優勝。高校では全国高校ゴルフ選手権春季、秋季を連覇。国内プロデビューは2001年「日本女子オープン」で、03年には「ヨネックスレディス」、「大王製紙エリエールレディス」で優勝。04年も1勝。06年はシーズン序盤から優勝争いを演じ、「スタンレーレディス」では7ホールにわたるプレーオフを制して優勝。「マスターズGCレディース」も制し、03年以来の年間2勝を挙げた。 07年は最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を制し、国内メジャー初勝利。08年には「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」連覇を含む年間4勝を挙げ、賞金女王に輝いた。※写真は、ゴルフライブ社(当社)主催「ゴルフライブサミット」より