スイングで手首のコックをうまく使えていますか?
コックは、手首の角度を作ってそれをインパクトで開放することで、クラブヘッドを加速させ飛距離を伸ばします。
金づちを打つ時の感覚と似ていますね。
元賞金女王の古閑美保プロは、ゆっくり素振りをすることで手の動きを確認していたそうです。
コックを全くしないスイングというのはありません。
コックが作れていて、良い位置でリリースできているかが飛距離や方向性に影響します。
この記事では、正しいコックの使い方やリリースの方法をお伝えしていきます。
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目次
4. ゴルフのコックを生かすスイング6ステップ
4.1. コックを活かすスイング①:アドレスの握り方
4.2.コックを活かすスイング②:テークバックはL字を意識
4.3.コックを活かすスイング③:ダウンスイングでコックをキープ
4.4.コックを活かすスイング④:インパクトでもコックを保つ
4.5.コックを活かすスイング⑤:フォロースルーで自然にリリース
4.6.コックを活かすスイング⑥:コックが戻った状態でフィニッシュ
7. ゴルフ用語解説!「アーリーコック」「レイトコック」の意味
1. コックとは
コックとは手首を親指側(縦方向)に折る動きです。
これを上手く利用することで、自分の力以上にヘッドスピードを出すことができます。
コックを使うイメージは、金づちで釘を打つ際の動きと同様です。
慣れていれば手首のスナップを効かせて軽快に釘を打ちこむことが出来ますが、スナップを利用せず、手首を固定したまま釘を打ってもなかなか埋まっていきませんよね。
ゴルフも同じで、手首のコックを使わないと、ヘッドスピードが伸びず飛距離が出ません。
よくコックを作るときに間違えやすいのが、手首を右手の甲側(横方向)に折ってしまうことです。
これは「ヒンジ」という横の動きになり、コックではありません。
アマチュアの方の中には、コックのつもりでヒンジをしてしまっている方が割と多いです。
参照|スタックアンドチルトで目指せ300ヤード&パープレー!
正しいコックの動きを習得することは、どのゴルファーにも必須な基本となるポイントです。
そして、ゴルフにはコックと同じように、すべてのゴルファーが身につけておくべき基本となるポイントがあります。
それをしっかり習得することが「正しいスイング」を身につける最短の道です。
その「基本となるポイント」を網羅した記事が以下になります。
こちらに書かれている内容を頭に入れて実践いただければ、安定性の高いスイングを身につけることができます。
→→→プロゴルファー監修!「ゴルフ初心者がスイングを最短で身につける5ステップ」を読んでみる
2. ゴルフでコックを正しくするとスイングはどう変わる?
コックを正しくすることで期待できる影響は以下の2点です。
- 飛距離が伸びる
- スライスしなくなる
飛距離が伸びる
正しいコックの動きは飛距離を伸ばす大きな要因となります。
インパクトの直前にコックがほどけることで、ヘッドスピードが上がります。
ヘッドスピードの上昇は直接的に飛距離につながるので、成果が分かりやすいことも特徴です。
加えて、ハンドファーストのインパクトができるようになるので、ミート率の向上にもつながります。
スライスしなくなる
アウトサイドインの軌道でスライスしてしまう方には効果的な対象法となります。
かなづちのようにクラブを使いこなせるようになると、しなやかに腕を振ることができている証拠です。
クラブのヘッドがより身体の近くを通るようになるので、ロスが少ない正しいインパクトができるようになります。
ロスが少なければボールはまっすぐ飛ぶようになります。
3. ゴルフ初心者がなりがちなNGのコック例
コックを上手く使いこなせていない現象は初心者の方に多く見られます。
間違ったコックのまま練習していてもスイングは上達しません。
ここでは、ゴルフ初心者にありがちなNGのコック例をご紹介します。
ご自身のコックの使い方と比べながらチェックしてみてください。
右手に力が入り左手首が甲側に折れる
肩や腕の正しいアドレス姿勢が作れずに、右手に力が入ると上手くコックができなくなります。
これが、誤ったスイングプレーンやクラブフェースにつながるのです。
また、飛距離を伸ばしたいという思いから力いっぱい振ることで、コック中に左手の手首が折れてしまうことがあります。
右手の力が強すぎて引っ張られてしまうからです。
鏡を見ながらトップの位置を確認することで、手首の角度を最後までキープ出来るように練習しましょう。
4. ゴルフのコックを生かすスイング 6ステップ
ここからは、正しくコックを使ったスイングの流れを6つのステップに分けて紹介します。
ご自身のスイングも一緒に振り返ってみて下さい。
4.1. アドレスは柔らかく握る
アドレスでは、がちがちにグリップを握らず、力を抜いて自然に握りましょう。
腕と手首の間には多少の角度を持たせて、ピンとまっすぐ伸ばさないようにしましょう。
4.2. テークバックではL字を意識
テークバックで、左腕が地面と平行になるタイミングでコックを固めていきます。
親指側に手首を折って、シャフトが真上を向く形になります。
正しいコックを作るためには、クラブと身体の距離を離さないことが重要です。
なお、コックを作るタイミングに1番これが正しいという決まりはありません。
切り返しで無意識にコックが入る方はそれでOKですし、初心者の方はご紹介したようにテークバック時に入れるのがオススメです。
4.3. ダウンスイングは身体に引き付けてコックをキープ
ダウンスイングでは、固めたコックを維持したままインパクトに向けてクラブを降ろすことが重要です。
しかし、アマチュアの方は、このダウンスイングでコックが解けてしまっていることがほとんどです。
コックを維持したままスイングするためには以下のポイントを押さえて下さい。
- グリップエンドを右足に引き付けるように下ろしてくる
- クラブが右腰辺りに来たときまだシャフトが立っているようにコックを維持
- 身体とクラブの距離を離さない
4.4. インパクトでもコックを保つ意識で
インパクトでもコックをキープし、グリップが右足前に来るまでは角度を保ちます。
コックがほどけていくのはフォロースルーに入ってからと考えて良いでしょう。
右足前でグリップが下がりきるのが理想です。
このとき、左手首が甲側に折れてしまわないよう注意してください。
4.5. フォロースルーで自然にリリース
フォロースルーではいったんコックがほどけ、腕が地面と水平になる辺りからまた自然と手首がコックされていきます。
手首だけを意識して動かしたりはせず、腕と身体の動きを同調させましょう。
4.6. 自然にコックが戻った状態でフィニッシュ
フィニッシュではコックが再び完了した状態になっています。
5. コックした手首を正しくリリースする方法
アマチュアの方のほとんどは、早い段階でコックがほどけてしまっています。
これは「アーリーリリース」と呼ばれ、壁にぶつかる人の多い要素の一つです。
そこで、コックした手首をリリースする正しい位置が分かる簡単な素振りを紹介します。
① クラブヘッドを持って、クラブを逆に持ちます。
② 素振りをすると「ビュン」と風を切る音がします。
その音がボールのある位置のほんの少し左で聞こえたら、手首をリリースしている位置は適切です。
リリースのタイミングが早すぎたり遅すぎると違う位置から音が聞こえるので、意識して「ボールのほんの少し左」に近づけていきましょう。
③ 適切なリリース位置の感覚を掴めたら、クラブを普通に持って練習しましょう。
音を目安にしてスイングを試行錯誤してみることで、おのずとコックの維持や体の回転と同調した自然なリリースに近づいてくるでしょう。
4. コックを使えている人と使えていない人の違い
ここで改めて、コックを使えている人と使えていない人の違いを確認しましょう。
ご自身のスイングと比べながらしっかりとチェックしてみて下さい。
コックを使えている人
- 力まずに遠くに飛ばせている
- 力を無駄にせずにスイングスピードに変換できている
- 良い姿勢で左右のバランスが取れたスイングをしている
- 手先でスイングしていない
- 正しい軌道でフォロースルーがとれている
コックを使えていない人
- 力んでいるので遠くに飛ばせていない
- からだの使い方や姿勢が悪い
- 手先でスイングしている
- スイングのテンポやタイミングが悪い人
- インパクトで左肘が引けている
5. ゴルフ用語解説!「アーリーコック」「レイトコック」の意味
ゴルフのコックについてさらに詳しくお話していきます。
コックはタイミングによって「アーリーコック」と「レイトコック」の2つに分類されます。
それぞれ見ていきましょう。
アーリーコック
アーリーコックとは、テークバック(クラブを後ろに持ち上げる動作)と同時にコックを開始することです。
右の腰にクラブが到達した時点で、すでにコックが完了しているフォームです。
通常のコックの場合、コックを開始するのが毎回異なる位置になってしまうことが多いです。
しかし、アーリーコックの場合、スイングの始動とともにコックを始めるので再現性を高目ることができます。
レイトコック
レイトコックとは、トップの位置にグリップが来たタイミングでコックを開始することです。
スイングを始動するとき、体幹や身体が強いとクラブを低く長く動かすイメージを持ちやすいです。
すると、スイングアークが大きくなるので、身体の回転も大きく使えて飛距離をアップさせることができます。
6. 動画でコックを学ぼう
この章では、今まで説明したコックの使い方、身に付け方を小原プロのレッスン動画を見て振り返ってみましょう。
7. ゴルフのコック まとめ
ここまで正しいコックについてご紹介してきましたが、「コックは自然にできるから意識しない方が良い」というアドバイスもよく耳にします。
それは、一瞬の動きであるスイングの中でコックを意識しようとして、腕や手首を余計に動かしてしまったり、身体との同調を失ってしまったりと逆効果になってしまう場合があるからです。
あまり頭で考えなくても出来るように身体で覚えていくのが1番といえるでしょう。
正しいコック、リリースのイメージを掴めたら、あとは実践あるのみです!
なお、コックはスイングの基本ともいえるポイントです。
しかし、コックさえできればよいというわけではありません。
「スイングの基本」となるポイントはいくつかあり、これらをきちんとおさえることで、「正しいスイング」を身につけることができます。
「正しいスイング」を身につけるためのポイントを、スイングのステップごとに詳しく丁寧に説明している記事が以下になります。
ここに書かれていることを読んで繰り返し実践していただければ、狙ったところにしっかり飛ばせる正しいスイングを身につけることができます。
→→→プロゴルファー監修!「ゴルフ初心者がスイングを最短で身につける5ステップ」を読んでみる
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プロゴルファー古閑美保プロフィール(2008年、賞金女王)
11歳からゴルフを始め、中学生の時に日本ジュニア選手権で優勝。高校では全国高校ゴルフ選手権春季、秋季を連覇。国内プロデビューは2001年「日本女子オープン」で、03年には「ヨネックスレディス」、「大王製紙エリエールレディス」で優勝。04年も1勝。06年はシーズン序盤から優勝争いを演じ、「スタンレーレディス」では7ホールにわたるプレーオフを制して優勝。「マスターズGCレディース」も制し、03年以来の年間2勝を挙げた。 07年は最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を制し、国内メジャー初勝利。08年には「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」連覇を含む年間4勝を挙げ、賞金女王に輝いた。※写真は、ゴルフライブ社(当社)主催「ゴルフライブサミット」より